海外旅行を計画している人に、旅のヒントとして私が今回お伝えしたいこと。それは
「観光スポットやお土産物屋さんだけでなく、現地のスーパーマーケットも覗いてみよう!」
これまで世界15か国、42の都市を旅した私が、旅先で楽しみにしていることのひとつ。それが、地元のスーパーに行くことです。
この記事では、旅先でスーパーマーケットに行くのがどうしておすすめなのか、その理由をお話しします。
なぜスーパーマーケットに行くのがいいのか?
現地の生活が垣間見えるから
以前、NHKイタリア語講座入門編を聴いていたら、先生がこんな話をしてくださいました。
「イタリアのスーパーが大好きなんです。
スーパーは、その国の人にとってどの食べ物が大事なのかがよくわかって面白いんですよ。
日本のスーパーにたくさんの種類のお米があるように、イタリアだとやはりパスタの種類に圧倒されます」
まったく同感。スーパーでは、現地の生活の様子が垣間見えます。そして生活に必須の食品・飲料品は何なのかもわかります。

上の画像は、ドイツ、ロマンチック街道にある、日本人にも大人気の街ローテンブルク・オプ・デア・タウバーのスーパーで見たティーバッグ売り場です。ドイツは、「ハーブ先進国」とも言われているそうで、日本でもポンパドールは有名ですね。
ティーカネンTeekanneやメスマーMessmerというメーカーのハーブティ、フレーバーティがたくさん並んでいました。その数、上から下まで通路全体!
種類が豊富で、お値段もお手頃です。1箱2ユーロ前後が多いですね。ドイツではそれだけたくさんハーブティが飲まれているということでしょう。
また、1986年頃に初めてアメリカ(オレゴン州とカリフォルニア州)に行った時と、2004年にやはりアメリカ(カリフォルニア州)に行った時、現地のスーパーを訪れて、カルチャーショックを受けました。
例えば、アメリカのスーパーにある牛乳は、日本でのメイン商品は1リットルパックですが、アメリカは1ガロン(=約3.8リットル!)。
でかい!
容器も紙パックではなく、日本ではサラダ油などが入っていそうな取っ手付のポリボトル。
それを初めて見た時の衝撃と言ったら!
4人家族でも普通にそのサイズを買っているのを見て、本当にびっくりしました。
そして牛乳と言えば、2025年のヨーロッパ旅行では、牛乳を探してスーパーに入るもなかなか見つけられず…。なぜなら常温の棚(!)に陳列されていたからです。
日本ではロングライフミルクは常温保存の商品がありますね。あんな感じです。
またたいてい脂肪分の含有量によって、それぞれのブランド3種類くらいずつ置いてありました。「脂肪ゼロ」と「スキムミルク+牛乳」、そして「普通の牛乳」というパターンです。
乳製品つながりで言うと、ヨーグルトが単品ではあまり売っていなくて、ひとり旅の私はなかなか買えませんでした。少なくても2個セット、だいたい4個あるいはそれ以上でセット販売です。
見てください、これ▼

旅行中は乳製品と野菜の摂取量が少なくなりがちで、スーパーに行くたびにヨーグルトまたは牛乳を探したのですが、「おひとりさま」にちょうどよい量はあまり見つかりませんでした。
ホテルを渡り歩いていて、部屋には冷蔵庫がないことがほとんどなので、「やっぱり1個で売ってない…」とがっかりすることが多かったです。
乳製品がおいしい地域なので、ヨーグルトもたくさんのフレーバーがあり、ご家庭で食べる回数も多いのでしょう。
2004年のアメリカ西海岸旅行では、ワイナリーツアーに参加しました。現地在住の日本人ガイドさんが、車でカリフォルニアワインのブドウ畑に連れて行ってくれるという個人ツアーでした。
ワイナリーの見学が終わって、夜、ホテルのある市内まで戻って来たのですが、
「まだ少し時間があるね」
と言いながら、私たちを連れて行ってくれたのがスーパーマーケットでした。
天井が高く広々としたスーパーの店内は、照明も明るすぎるくらい明るくて、見るもの全て面白く感じました。
商品もディスプレイも、当然のことながらアメリカンな雰囲気です。ひろい!でかい!
私は香りモノ、香水などが好きなのですが、衛生用品売り場でボディファンタジー(お手頃価格のボディスプレーで、たくさんの香りがあります)を売っているのを見た時、「さすがアメリカだなぁ」と感じました。当時はまだ、日本では香り関連で肌につける商品はあまり多くありませんでしたから。
ボディファンタジーは、今でこそ日本でもドラッグストアやコンビニで売られていますが、15年前は日本未発売でした(2010年から日本販売とのこと。下は日本で一番人気らしいフリージアの香りです)。
そんなふうに、現地で豊富に種類を取り揃えている商品の中から、これから日本でも発売されそうな商品の「先取り」もできるかもしれません。
1990年にヨーロッパをひとり旅した時のドイツでも、スーパーに入り買い物をしました。
レジでお金を払った後、レジ袋をくれなかったので「ちょうだい」と言うと、レジの人に
「10ペニヒよ(当時のレートで約8円。当時はユーロではありませんでした)」
と言われました。これも今でこそ日本も、レジ袋有料制になってきていますが、「スーパーでは、ただでレジ袋をくれるのが当たり前」と思っていた当時は、「合理的だ」と感心したのを覚えています。
さすが環境先進国と言われるドイツですね。

そうそう、ドイツと言えば、2025年の旅でPfandというシステムを知りました。
DMM英会話の先生(ドイツ在住経験のあるイギリス人)にPfandの話をすると、2000年代には導入されていたそうです(ググってみると2003年に本格導入したとのこと)。
ペットボトルや缶、ガラス瓶などを購入する際に、0.25~1ユーロのデポジットPfandを払い、空になった容器を返却すると、Pfand分のお金が戻ってくるのです。

2025年のひとり旅では、私はバックパックを背負ったバジェットトラベラー(予算が限られた旅人)だったので、Pfandはバカになりません。2~4本分のPfandで、もう1本お水が買えちゃいますから。
このPfand、2025年1月から、お隣オーストリアの一部でも導入されたようです。
また、ニューヨークでもヨーロッパでも、なかなか野菜ジュースが見つかりませんでした。スムージーや、エナジードリンクはたくさんあるのに…。

野菜よりもフルーツ、なんでしょうかね。。。
観光スポットよりもお手頃価格だから
さて、スーパーをおすすめする理由の2番目は、「安いから」!
日本の観光地にあるお土産屋さんとスーパーを比べれば、イメージしやすいでしょう。
スーパーマーケットは現地在住の方達の日常です。観光地としてではなく、普段着のその国、そこに暮らす人々の姿が見られます。
どんなものが安く売られているのか、観察してみるのも面白いかもしれません。
もしお土産を大量に買わなければならないなら特に、スーパーはおすすめです。
いわゆる「バラまきお土産」ですね。
安価でも、その国らしい面白いものがスーパーでは見つかります。
こちら▼はニューヨーク・ソーホーの人気スーパー、トレーダージョーズTrader Joe’sで買った卵型のソープです。昔日本でも見たような再生紙のパックに入っていて、ブルーベリーの香りとラベンダーの香りがセットになっています。お値段は確か2~3ドル(定かではないです…)。
これはちょっと重たいので「バラまき」というほどたくさんは持って帰れませんが、気軽なお土産として、また自分用にも買いました。

2025年の旅は、前述のようにバックパッカーとして旅をしたので、レストランにはほとんど入りませんでした。その代わりスーパーに行って、水やパン、シリアルバー、フルーツ、野菜などを買ってしのいでいました(笑)。

上の画像は、ローテンブルク・オプデアタウバーにあったスーパーのパンコーナー。ヨーロッパのスーパーのパンは、こういうふうに棚に置かれているのを、自分で取るスタイルが多かったです。トングか使い捨てのビニール手袋が置いてあって、自分で取り、備え付けの紙袋に入れてレジへ持って行きます。
仕事帰りふうの若い男性がひょいっと持って行ったり、お母さんと男の子が相談しながら買っていたり…。
お値段、見えますかね。ここに写っているのは、ほぼ1ユーロ以下です。当時のレートで、安いものは30円から高くても150円くらい!
円安のあおりもあり、レストランに入る余裕はなかったので、本当にスーパーのお値段は助かりました。
お水ひとつとっても、観光スポットだと500mlが1~1.5ユーロしますが、スーパーならたいてい安く、日本円にして1本100円以下で買えることもありました。
現地の雰囲気に浸れるから
スーパーがおすすめの理由、3つ目。現地の雰囲気にどっぷり浸かれます。そして商品(の見た目)。こう言ってはナンですが、ラベルがすべて英語あるいは現地語で書かれている時点で、どれを取ってもすでにおしゃれに感じます(笑)。
商品に書かれている現地語やパッケージのデザインは、私にとって「旅行に来た!」と実感させてくれるものです。
例えばこちら▼。(スーパーではないですが)ニューヨークのセブンイレブンで撮った写真です。

カップヌードルはあまり日本のものと違いはないものの、その下のマルちゃんはいかがでしょう。Maruchan(笑)。
思わず手に取ってみたくなります。
もともと日本発祥の商品も、パッケージが外国語で書かれていたり色遣いが違ったり、日本では見ない雰囲気のものだと話のタネになります。
2025年のヨーロッパ旅行では、よくポッキーを見かけました。そう、グリコのポッキー。日本人なら誰もが知るあのお菓子です。でもヨーロッパでの名前は「MIKADO」。竹ひごを使うゲームの名前に由来するそうです。
旅行中はなんとなく現地のものを買うのを優先して、結局買わずじまいだったことを後悔しています。味の違いはあったのか、帰ってきてから気になってしまいました。写真くらい撮っておけばよかった…。
こんなふうに感じるのは、自分にとって「日常」じゃないから。
日本の日常生活で目にすることがないものは、たいてい面白いんです。
せっかく海外に行ったなら、誰もが行くような観光スポットだけではなく、その国の人達が普段利用しているところに行き、彼らが買っているものを買うのも興味深い体験になります。
そしてそれはおそらく逆の立場でも同じなのではないでしょうか。
つまり外国から日本を訪れる方たちから見ると、日本語が書いてあるだけで面白かったり、日本人にとっては「昔からある定番のお菓子」がwonderful(「wonder=驚嘆」が「full=いっぱい」)だと感じてくれたり。
自分にとって当たり前でも、他人から見たらびっくり!なことってあるものです。
そうやって、現地ならではのモノを見たり手に取ったりすることが旅の醍醐味でもあります。
次の旅行では、現地のスーパーを目的地に加えてみませんか?きっと、周りに「聞いて!」と話したくなるような発見がありますよ。