実体験【ヨーロッパ旅行】日本の障害者手帳で障害者割引を使えた観光スポット10か所

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ヨーロッパ女ひとり旅47日間2025年2~4月

ヨーロッパの多くの観光施設では、日本と同様、入場料に障害者割引の設定があります。

となれば障害者手帳を持っている旅行者としては、日本の障害者手帳でも割引してくれるのか疑問に思うところ。かく言う私がそうでした。

私は2025年2~4月に、ヨーロッパを47日間バックパックでひとり旅した聴覚障害者(6級)です。

旅の計画段階で「日本の障害者手帳はヨーロッパで使えるか」疑問に思い調べたものの、欲しい情報がなかなか見つからず…。

ネットに情報がないなら「直接聞くしかない」と公式サイトに問い合わせたり、現地に着いてからチケット売り場で聞いてみたりしました。

そうやって実際に私が47日間の旅で訪れたうち、日本の障害者手帳でも障害者割引を適用してくれた施設は10か所ありました。おかげでサグラダ・ファミリアもヴェルサイユ宮殿も、私は無料で入ることができたのです。本当にありがたい…。

とはいえ日本語の障害者手帳ですから、単純に「手帳を見せればスルー」となるとは限らず、係員とのやり取り(英語)が発生した施設もありました。

またフランス・オルセー美術館では障害者手帳を持っていたことにより、予約なしで入場できました(第一日曜に行ったのでそもそも入場料は無料の日)

この記事では、実際に日本の障害者手帳で障害者割引をしてくれた観光施設を紹介します。

英語でのやり取りなどもあわせ、リアルな情報を共有したいと思います。

ヨーロッパ旅行を計画している障害を持つ方に、少しでも参考にしていただければ幸いです。

本記事は2025年2~4月の私の実体験に基づいています(東京都交付の聴覚障害6級の障害者手帳を携行:現地語/英語の翻訳版は無し)。ただ、必ず私と同じ対応を受けられるという保証はできません。あくまでも一体験談として参考にしていただけると幸いです。

ヨーロッパ旅行で「日本の障害者手帳は使えるか?」

日本人に人気の旅行先、ヨーロッパ。しかし円安が続き、加えてオーバーツーリズムの現在(2025年)のヨーロッパでは、観光にかかる費用は上昇する一方です。

旅費の内訳は交通費、宿泊費、食費といろいろありますが、ヨーロッパの場合、観光施設の入場料も大きな割合を占めます。

実際に旅行計画を立て始めると、入場料の高さに驚くのではないでしょうか。

例えば(いずれも2025年10月の料金設定と為替レート[1ユーロ約177円]で計算)

サグラダ・ファミリア 36ユーロ約6370円塔と教会内部に入れるチケットの場合

ヴェルサイユ宮殿 32ユーロ(約5660円「パスポート」宮殿内+トリアノン+庭に入れるチケットの場合)

ヨーロッパでは、美術館や観光施設の入場料はだいたい10ユーロ以上40ユーロ未満(2025年10月末現在のレートで約1700~7000円)であることが多い印象です。決して安くはありません。

ヨーロッパでも日本の障害者手帳を使えるところはある

ところで日本では、障害者手帳を持っていると美術館などで障害者割引が受けられ、時には無料で施設を利用できます。

そしてヨーロッパにも障害者割引はあります。私が調べた範囲では、すべてではないものの多くの観光施設に、障害を持つ人対象の入場料割引がありました。

となると日本で交付された障害者手帳でも障害者割引にしてもらえるかは、障害のある旅行者にとって気になるところ。

私も旅の計画をしている時、こんな疑問を持ちました。

観光スポットの障害者割引入場料は、日本の障害者手帳所持者も対象になるのかな?

この疑問に対して、私が2025年のバックパックひとり旅で見つけた答えは▼

ポイント

日本の障害者手帳(日本語)でも障害者割引を受けられる(英語や現地語の翻訳版は不要

◆状況説明や交渉などのために、ある程度の語学力(+度胸)があるとよい

例を挙げて説明していきます。

日本の障害者手帳で障害者割引を適用してくれたヨーロッパの観光施設10か所

まずは、日本の障害者手帳で割引を適用してくれた観光施設10か所の一覧をどうぞ。

私が実際に障害者割引で入ったところのみ挙げています。旅行中、何も聞かず/調べずに一般料金を払って入場したところもたくさんあります(なぜなら47日間で27か所を巡るバックパックひとり旅というハードで過酷な旅だったため、聞く余裕がなかったことも多々あり…)

割引/無料になった観光施設障害者割引入場料(ユーロ)正規入場料(ユーロ)2025年時点
サグラダ・ファミリア:Sagrada Família with Tower [塔+教会内部](バルセロナ)0.0036.00
メスキータ(コルドバ)7.0013.00
レンバッハハウス美術館(ミュンヘン)5.0010.00
ウフィツィ美術館(フィレンツェ)0.00(予約手数料として4.00)25.00+予約手数料4.00
ヴィットーリオエマヌエーレII世記念堂・屋上パノラマエレベーター(ローマ)0.0017.00
コロッセオ:24Hアリーナ+パラティーノの丘+フォロロマーノ(ローマ)0.0018.00
オランジュリー美術館(パリ)0.0012.50
ルーブル美術館(パリ)0.0022.00
ヴェルサイユ宮殿:パスポート(宮殿内部+トリアノン+庭園)0.0024.00(11月~3月の料金)
モンパルナス・タワー展望台(パリ)10.50現地窓口購入26.00、オンライン予約23.00

私の場合はトータルで214ユーロ(2025年2~4月のレートで約35000円ほど)を割り引いていただいた計算になります(サグラダ・ファミリアは2回行ったため)。Budget Traveller(低予算で旅する旅人)だった私には、本当にありがたいことでした。

本記事の内容はすべて私が実際に体験したことですが、障害者手帳を持つ方どなたにも当てはまるかどうかはわかりません。心配な方や「障害者割引でなければ行かない」という方は、事前に各施設にお問合せくださるようお願いいたします。

【私の障害】聴覚障害6級(見た目でわからない)

ここで私自身の状況を少し説明します。

私の障害は聴覚障害6級。補聴器は使用しておらず、見た目でわからない障害です。

感音性難聴(音自体は条件により、ある程度聞こえる)なので、まったく音が聞こえないわけではありません。

広いスペースや騒がしい空間では人の言葉がよく聞き取れず、複数の人と同時に話をするのは困難。日本語の映画やドラマも、字幕なしでは聞き取りが難しいという程度の難聴です。

そんな私が、ヨーロッパ旅行で障害者割引を使えるかどうか気になり始めたきっかけは、サグラダ・ファミリアでした。

【体験談①】サグラダ・ファミリア(バルセロナ)予約

サグラダ・ファミリアは、今回(2025年春)の旅では私にとって「絶対に外せない目的地」でした。

人気の観光スポットなので、予約は必須!

出発前に予約をしようと、公式サイトの料金表を見ていた時のことです。

割引(Reduced)として「People with disabilities  Free(障害を持つ人 無料)」の文字が。

そしてその下に「To apply these discounts, proof must be shown at the entrance.(上記割引を受けるためには、入場の際、証拠を見せなければいけません)」とあります。

その「Proof 証拠」となるものが日本の障害者手帳でもよいのかわからなかったので、右下のAIチャットボットに聞いてみました。

日本で交付された障害者手帳でも、障害者割引で入場できる?

それに関して、私には十分な知識がありません。問い合わせをしてみてください。

結局、ボットからの最終的な答えは「前もってお問い合わせをしていただくのがよいかもしれません」でした。

というわけで、サグラダ・ファミリアのオフィスにメールをしてみることにしました。「障害があることを証明する文書が、他国で発行されたものでも受け付けてくれますか」と。

実際のやり取りを紹介しましょう。私が書いた質問は以下の通り▼

ざっくり訳すと「他国で交付された障害者手帳で、障害者割引を受けられるでしょうか」と書いています。

そしてサグラダ・ファミリアからの返信は▼

要約すると「Yes. チケット予約時に『障害者割引』を選べば0ユーロで予約ができます。証明する文書を当日、入口で見せなければならないことを考慮に入れてください」とのことでした。

ちなみに付き添い1名も「付き添い人対象の料金」で入れるという返事でした(私はひとり旅なので非該当)。

旅行前で不安になっていた私は、念のためそのメールもプリントアウトし持参しましたが、当日、障害者手帳の提示は求められなかったように記憶しています。

ただ電子チケット(スマホアプリを使用)に記載されている日時の方はしっかりチェックされました。

なお私がサグラダ・ファミリアで買ったチケットは「Sagrada Familia with tower:塔+バジリカ(教会内部)」36ユーロです。塔は、生誕の塔にするか受難の塔にするか決められず、午前と午後に分けて両方上りました。

アルハンブラ宮殿(グラナダ)「33%以上の障害ならOK(地域問わず)」

実は同じ質問をアルハンブラ宮殿にも送ってみたのですが、アルハンブラ宮殿からは少し違った返事がきました。

どの地域から来るかにかかわらず、障害の程度が33%以上ならば障害者割引を受けられます。」という返事でした。

しかし日本の障害者認定は、パーセンテージで示されません。日本では、各障害についてどの程度なら何級の障害と認定されます。

したがって、日本の障害者手帳でアルハンブラ宮殿の入場料を障害者割引にしてもらうのは難しいというのが私の判断でした。

結局、アルハンブラ宮殿では障害者割引のチケットは買わず、グラナダカード48H(49.06ユーロ)を買って入りました。

後日談:「33%以上」という基準については調べてもわからなかったのですが、帰国後、DMM英会話の先生に聞いてみたところ、「スペインやフランスには、障害者福祉を受ける際に、障害の程度を表す基準となる数字があるらしい」ということだけわかりました(先生はAIを使って調べてくれました。一般常識というわけではないようです)

障害者手帳の翻訳版は不要「GoogleLensで翻訳を見て」でOK

障害者手帳については、私が旅行計画中に調べたときには「英語翻訳版を持って行くとよい」という情報があったのですが、私は日本語の障害者手帳をそのまま持って行きました。

理由は、居住地の自治体(東京都)が障害者手帳の翻訳版を交付してくれるという情報が見つからなかったためです。

とはいえヨーロッパの観光施設の入口にいるスタッフで、日本語を読めるような人はほとんどいません。

そこで、係員に「日本語、読めない」と言われると私はいつも「スマホでGoogleレンズを使って翻訳を見て」と伝えていました。

便利な世の中になったものですね(前回バックパックひとり旅をした1990年とは大違いです)。

実際に日本の障害者手帳で障害者割引になった観光施設紹介

全体的にヨーロッパでは「障害がある」と伝えると親切に対応してくれた印象です。

ここからは各施設でのエピソードをご紹介します(私が行った順です)。

【体験談②】メスキータ(コルドバ)

スペインのコルドバでは、メスキータを訪れることが大きな目的でした。

チケットは当日、敷地内のチケット売り場で購入。

チケット売り場のおじさんに手帳を見せ「日本の障害者手帳を持ってるんだけど、障害者割引にしてくれますか」と英語で聞いてみました。

おじさんは、ちょっと考えてから「じゃあ7ユーロ。障害者割引の値段だよ」とチケットを売ってくれました。なんとなく納得のいかない表情をされてましたが(笑)。(おじさん、本当にありがとう!)

メスキータは1990年の旅では中に入れなかったので、今回は中に入ることができて本当に良かったです。

もともとはイスラム教のために建てられ、現在はカトリックの大聖堂という、非常にユニークな場所。神秘的で荘厳な空間は、他では体験できない雰囲気がありました。おすすめです!

【体験談③】レンバッハハウス美術館(ミュンヘン)

カンディンスキーが好きな私は、ミュンヘンではレンバッハハウス美術館を「行きたい場所リスト」に入れていました。

まずはチケット売り場の女性に、日本語の障害者手帳を見せながら英語で質問。

I am a disabled person. Could you accept the Japanese disability certificate for the disabled discount?(私は障害者です。日本の障害者手帳で障害者割引になりますか)

彼女は私の手帳を手に取り「日本語は読めないわ」と言ったのですが、もう一押し。

Do you have a smartphone? If you need to translate it, you can use Google Lens or an AI translator.(スマホある?グーグルレンズやAI翻訳を使ってみて)

すると彼女はスマホを取り出し操作した後、「あ、ほんとだ!」と言ってニッコリ笑い、隣にいたもう一人のスタッフにも見せてくれました。障害者入場料は、一般入場料10ユーロの半額で5ユーロ。

その後、オーディオガイドの機器を借りる時、「ヘッドホンはある?」と聞くと「あるよー」と言って貸してくれました。

それにしてもミュンヘンの人たちは、会う人みんな優しかったなぁ(他の都市では「イヤホンはある?」と聞いて「そんなの必要ないわ」と言われたこともありました。私には必要だから聞いたのだが)。

後日談:DMM英会話の先生によるとそもそも「日本で交付された証明書でもよいか?」などと聞く必要はないのでは?とのこと(この記事の最後をご覧ください)。なので、もしかしたら「I would like to buy a ticket for disabled people(障害者用のチケットを1枚ください)」と言えばよかったのかもしれません…。まあ、私は旅行中、ほとんどいつも切羽詰まっていたので予算の限られた女ひとり旅ですから)「日本の手帳が使えるか」を聞くのが精一杯でしたが。

【体験談④】ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

イタリア・フィレンツェに行くなら、ぜひ訪れたい美術館がウフィツィ美術館。

私は公式サイトからオンラインで予約をしました。ウフィツィ美術館も人気の美術館なので、日時の予約が必須です。

入場の際、電子チケットを見せると、係員の女の子は「どうしてあなたのチケットは無料なの?」と私に聞きました。

「障害者だから」と言って障害者手帳を見せると、ここでもやはり「日本語、わかんないんだけど」と言われたものの、それ以上は何も言われず「OK」と通してくれました(混雑して長い列ができていたので、めんどくさくなったのかも…笑)

なおウフィツィ美術館も入館の際にセキュリティチェックがあります。

またオーディオガイドを借りる時に、パスポートを預けるように言われました(「そんな大切なもの、預けたくない」と思ったのですが…他の美術館などでもオーディオガイド貸し出しの際には「ID[身分証明書]を預かる」と言われることがありました)。

【体験談⑤】ヴィットーリオエマヌエーレ2世記念堂のテラス(ローマ)

ローマにあるヴィットーリオエマヌエーレ2世記念堂には、チケットなしで入れるエリアと、チケットを買わないと入れないエリアがあります。屋上のテラスにはチケットを買って入ります。

私は予約をせずにふらっと行ったのですが、白亜の建物を見ていたら、やはり上に上がってローマの景色を見たいなと…。

そこで、テラスへ上がる階段のところにいた係員さんに聞いてみることにしました。

チケットをチェックする入口に立っていたふたりの男性に障害者手帳を見せて、「これで入れますか?」と質問。

最初は、片方の人に「これは何のドキュメント(書類)?」と聞かれたのですが、英語で説明するともう一人の男性が「いいんじゃない?」と相方に言い、私には「どうぞ、入って」と言ってチケットなしで通してくれました。

イタリアの人々はイメージに違わず、だいたいがゆるい雰囲気でした。

エレベーターで上がった屋上のテラスはとても見晴らしが良く、「ローマに来たんだなぁ」と実感できました。

【体験談⑥】コロッセオ:アリーナ+パラティーノの丘+フォロロマーノ(ローマ)

ローマといえばコロッセオ。今どきは予約なしでは入れません(1990年にも中には入ったのですが、予約などした覚えはなく…)。

コロッセオ入場チケットにはいくつか種類がありますので、自分が入りたい場所によってどのチケットを買うか決め予約をしましょう。

私は「24H ONLY ARENA:コロッセオのアリーナ(1階部分)とパラティーノの丘+フォロロマーノに入れるチケット(24時間有効)」を買いました。

↑が実際のチケット。コロッセオの地下や2,3階に入れるチケットも選べます。

またチケット券面にあるとおりリュックサック、スーツケース等は持って入れませんのでご注意を(ヨーロッパは「リュックはNG」の観光施設がよくあります)。

【体験談⑦】オランジュリー美術館(パリ)

日本人に人気の印象派絵画。なかでもクロード・モネの作品が好きという人も多いことでしょう。

私も、1990年にヨーロッパをバックパックひとり旅した時にオランジュリー美術館を訪れ、『睡蓮の間』と呼ばれる展示室で、時を忘れるほど『睡蓮』の前で過ごしたことを覚えています。

今回の旅でもその『睡蓮の間』を再訪するべく、オランジュリー美術館の予約をしました。

チケットはメールで届いた電子チケット↑をスマホで表示させ、入口で見せます。障害者手帳も見せました。

Free Entrance Ticket(無料チケット)と赤字で示されているため、係員にもわかりやすかったのでしょう。

オランジュリー美術館は改装後、2006年に再オープンし、2つある『睡蓮の間』は天井から柔らかい自然光が入るようになっています。

壁に4枚の横長の『睡蓮』が広がり、中央にソファが置かれたこの空間では、人々がゆっくりと『睡蓮』を楽しみ、くつろいで過ごせるようになっています。

モネはここを「瞑想をするような空間」にしたかったのだとか。

観光中は何かとせわしくなりがちですが、オランジュリー美術館を訪れるなら、ぜひ時間を長めに確保して行ってみてください。

【体験談⑧】ルーブル美術館(パリ)

サモトラケのニケ

ルーブル美術館は、世界で最も訪問者が多い美術館と言われています。したがってここも予約必須

予約をしていても入るまでに結構長く列に並びますので、時間に余裕をみましょう。

そしてルーブル美術館もセキュリティチェックあり。他の施設より厳しめでした(というより他の施設がゆるかったとも言えます…)

非常にたくさんの美術品が展示されているので、ルーブル美術館見学の際には時間と体力を確保して行くことをおすすめします。

特にモナ・リザの前は混雑していて待ちます。マクロン大統領が「モナ・リザ専用室」を作る計画を発表しましたが、完成は2031年とか。当面はモナ・リザを見たければ、広い館内を歩いて更にモナ・リザ用の行列に並ぶのは必須です。

並んだ割にあまり近くで見られないんだよね…。しかも慌ただしく人に揉まれながらだし

【体験談⑨】ヴェルサイユ宮殿:パスポート[宮殿内部+トリアノン+庭園](パリ郊外)

パリ近郊にあるヴェルサイユ宮殿は、1日がかりで観光したい人気スポットです。

ヴェルサイユ宮殿もチケットにいくつか種類があり、日時指定の予約もしました。

私は「パスポート(宮殿内部と庭、トリアノンに入れる)」チケットを買いました。障害者の入場料金は無料です。

スマホにアプリをダウンロードしてチケットを表示させます。

庭に入る時、私のチケットを見た係員が「お金払ってないね、あっちで払ってきて」と言うので「障害者なんだけど」と言うと「あ、ごめんなさい。どうぞ」と通してくれました。

ひとり旅をする間に図太さを身につけたせいもあって、まったく臆さずに「I’m disabled」と言った自分にちょっとびっくりしました(笑)。

ここでも障害者手帳を見せることなくスルー。それどころか謝ってくださって…。

それにしてもヴェルサイユ宮殿は広い!26.18㎢だってさ(広すぎて、もはやイメージが湧かない)。

運河もあれば村もある。マリー・アントワネットが過ごしたというプチトリアノンも、まったくプチではないというスケールの大きさ(笑)でした(1990年の旅でも行ったのですが、今回改めて呆れるほど広かったです)。

旅の間は毎日最低8000歩多くて27000歩を歩いていた私も、さすがにプチトリアノンからの帰りは宮殿内シャトルバス↓Les Petits Trainsを使いました…。片道5ユーロ(障害者割引は無し)。フルのチケットを買っていれば9ユーロになり、加えて乗車の際、優先的に乗れるようでした。

【体験談⑩】モンパルナスタワー展望台(パリ)

夜景が好きなのですが、女性のひとり旅ということで暗くなってから出歩くことは控えていました。「安全第一」をモットーにしていたのでブダペストの夜景も泣く泣く諦め…。

しかし夜景を楽しむには、実は夜遅い時間でなくてもよいことを途中で知りました。日没直後の暗くなり始めた時間帯でも美しい夜景が見られるというのです。

そこでパリでは、ぜひエッフェル塔の『シャンパンフラッシュ』を見たい!と思い、モンパルナスタワーの展望台に上がってみることにしました(『シャンパンフラッシュ』とは、日没から深夜1時までの毎正時0分に5分間、エッフェル塔がキラキラ輝くイルミネーションです。季節によっても時間は変更になるそうので、詳細は最新情報を調べてみてください)。

モンパルナスタワーの入場券も、事前予約です(チケットは現地でも買えますがオンラインの方が2ユーロ安くなります。また展望台はそれほど広くなく、一度に入場できる人数に限界があるので事前予約を推奨します)。

ここでもチケットチェックの際に障害者手帳を見せるようには言われませんでしたが、セキュリティチェックは厳しめな印象。他の観光施設に比べてバッグの中を注意深くチェックされました。

ひとり旅の最後を飾るシャンパンフラッシュは、とても思い出深く印象に残っています。

動画でもおわかりいただけるとおり、空がもやもやと黒いのは、雲ではなく火事の煙です。

日没の時間(夜8時半頃)を狙って、午後8時に入場の予約をしたのですが、展望台に出たところでちょうどモクモクと煙があがっているのが見えました。

これがなければもっと美しい夜景+エッフェル塔の写真が撮れたのに…。でもそれも含め、唯一無二の思い出です。

【体験談:番外編】オルセー美術館:要予約のところ障害者は予約なしで入場可

パリでは毎月第1日曜日は美術館などが入場無料になります。しかし人気の観光スポットでは予約自体は必要であることが多いです。

私も実はそのことをよく理解しておらず、4月の第1日曜日にオルセー美術館に向かったものの列に並ぼうとして「予約が必要です」と言われてしまいました。「今日は第1日曜日だから、ご覧のとおり混雑しています。予約がないと入館は難しいでしょう」と。

列から離れても諦めきれずに、オルセー美術館のウェブサイトでチケットの画面をスマホで見ているとこんな文字が。

Free entry for visitors eligible for free admission (no tickets or reservations required) upon

(中略)

– People with disabilities (and any accompanier),

「以下に該当する方は入場無料(チケットも予約も不要)」として「障害を持つ人」とあります。

スマホを手に、列の案内をしている係員のもとに戻り「私は障害があるのですが」と伝えると「あ、そうなのね。ではどうぞ」と通してくれました。

本当にありがたい。そして諦めなかった自分、グッジョブ!ついでに英語を学習してきた自分も褒めたい(笑)。

あまり時間がなかったので最も見たい5階から回りましたが、他の階にも興味深い作品が多く、ここも再び訪れてゆっくり鑑賞したい場所になっています。

1990年にも訪れたのですが、良いものは何度見ても良いですね。

【障害者割引チケットを買えなかった観光施設】

このように10か所の観光施設では、障害者割引の料金あるいは無料で入館することができました。

一方で、アルハンブラ宮殿以外に「障害者割引を使えるか」を聞いたものの断念した時が2回ありました。

マドリードの3大美術館チケット

マドリードは見どころ満載の街ですが、なかでも美術館は私にとって優先順位の高い目的地でした。

特にピカソの『ゲルニカ』は1990年の旅で見られなかったので「絶対見たい!」と思っていました。

『ゲルニカ』は現在、ソフィア王妃芸術センターに所蔵されており、プラド美術館、ティッセン=ボルミネッサ美術館と合わせた3大美術館に入れるチケット(Paseo del Arte Pass)が各美術館のチケット売り場で買えます。

3つの美術館で別々にチケットを買うより20%安くなるとのこと。

私は事前の予約をしていなかったので、まずはプラド美術館のチケット売り場の列に並び(ちなみに結構並びました。やはり事前予約を推奨します)、窓口の人に障害者割引のチケットがあるかを聞きました。

しかし、相手の話が聞き取れず…。

私の聴力のせいか(アクリル板越しでした)リスニング力のせいか、はたまた彼の英語がスペイン語訛りだったせいか…。後ろにたくさん人が待っていることもあり、障害者割引のチケットは断念。

後から調べたところでは、やはりアルハンブラ宮殿と同じく「33%以上の障害を有する者」でないと割引にはならないとのことでした。

マウリッツハイス美術館(デン・ハーグ)

フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』で有名なマウリッツハイス美術館は、オランダ・デンハーグにあります。

マウリッツハイス美術館のチケット売り場で、障害者割引があるかを聞いたところ、「ない」というそっけない返事。

公式HP(日本語)でも障害者という設定は見当たりません。

マウリッツハイス美術館はいまいちホスピタリティが「?」でしたが、デンハーグは大好きな街。

ビネンホフが改装工事中だったり、熱を出して寝込んだためにあまり観光できなかったりだったので、デンハーグも再び訪れたいと思います。

【後日談】「日本の障害者手帳ではダメ」なハズがない?!

この記事を書くにあたって正確な英語表現を確認したくて、私が受講しているDMM英会話の先生たちにネイティブチェックをしてもらいつつ意見を伺いました。その一部をご紹介します。

注:どれも個人の意見です。

英語ネイティブ(DMM英会話講師)の意見・私の意見

私の英文が「日本の障害者手帳を使えますか」と聞く時の正しい英語表現になっているかを確認したかったのですが、イギリス人の先生からEye-openingなご意見がありました。

そもそもどこの国の証明書かなんて問題にならないはずだよ。

『障害者割引』の料金設定があって、「障害者である」という公的な文書を持っているのに「“日本の”文書は受け付けません」なんて言ったら差別でしょう?それこそ大問題。

That makes sense!(なるほど!)

つまり「『受け入れてくれますか、だめですか?』と聞くこと自体が不要だ」と言われ、妙に納得してしまいました。

とはいえ、別の先生(アメリカ人)にも意見を聞いてみると「その意見もInterestingだけど、礼儀正しい態度でいることは重要だから、”Could you accept ~?”と丁寧な表現で聞いた方がよいと思うよ」とのことでした。

ただ、主語を「You」として聞くより「the museum」など施設にするとほうがよいと。「”この施設では”受け入れてくれるの?」と聞くことになるのでおすすめというご意見でした。

これは他の先生もおっしゃっていて、「たまたまそのチケット売り場の担当者の機嫌が悪かったら、No!っていうかもしれないでしょ」と(笑)。

私が質問した先生方に限ると、イギリス人の先生は「Do you accept~?」が多数派で、アメリカ人の先生は「Could you~?」と言う傾向がありました。

私自身は、実際には”Could you~?”(していただけますか?)という丁寧な言い方をした記憶があります(でもイギリス人講師は「”Do you accept~?”でじゅうぶん丁寧。まったく問題ない」という意見でした)。

ということで、使う英語表現の「正解」もあなたの意志によるのかもしれません。つまり、あなた自身がどのくらいの強さで「私は障害を持っているので、障害者のための料金でチケットを買います」と宣言できるかによると。

「日本人だし…」とか「英語(もしくは現地語)でうまく説明できないから…」と尻込みするか、それとも「私は障害者なので障害者用のチケットを買います」と事実を堂々と(あるいは淡々と)伝えられるか。

とはいえ、私も最初は「どうかな、Noと言われるかな」と半信半疑だったので人のことは言えません。お気持ちは、よーっくわかります(そりゃ、びくびくするよね)。

ただ先生方によると、「ヨーロッパでは一般的に、障害を持つ人に対して礼儀正しく対応すると思うよ。見た目でわからなかったとしても、どんな障害があるのかなんて聞かれることはまずないし。そんな質問はとてもRude(失礼)だからね」とのことでした(確かに私も、何の障害なのかは一度も聞かれませんでした)。

私自身の変化としては、47日間ひとり旅をしたことで、「障害があります」と言葉にして言うことに対する心理的ハードルが確実に下がりました。みんな背の高さも違えば肌の色も違う。そういう「違い」のひとつだなと。

ま、不便ですけどね(笑)。

でもそれはひとり旅のおかげだけではないかもしれません。

DMM英会話を長く続けているから(累計38000分以上受講)であったり、外資系で仕事をして5年経ったという経験から、私は「違い」に対して良い意味で鈍感になっているようです。

さて。

ここまで読んでくださってありがとうございます。参考になる情報はお届けできたでしょうか。

あなたの旅も最高なものになりますように♪気を付けていってらっしゃい!