TOEIC S&Wの「意見を述べる問題」や英検二次試験では、「自分の考え・意見を英語で言う力」が試されます。
説得力がある話し方で、論理的に整然と自分の意見を述べるのは、日本語でも難しく感じますが、英語ではどう練習したらいいでしょう。
今日は、そのようなディスカッション力を伸ばしたい方におすすめの本を2冊ご紹介します。
英語のディスカッション力をつけるために参考になる本おすすめ2冊
英語でディスカッションをする力をつけるための本を選ぶとき、私が重視するポイントは以下のとおりです。
- CDが付いているから発音や抑揚も確認できる
- 英語表現が知的で洗練されている
- ネイティブが著者/共著者
ちなみに「自分の意見を言う・記述する」場合、英語だけでなく日本語でもPREP法という「型」が使えます。
これはプレゼンテーションやブログ記事等にも広く使える手法です。
- P:Point(結論)
- R:Reason(理由)
- E:Example(具体例)
- P:Point(まとめとして再び結論)
意見を言う際にはPREP法を使って展開するよう意識してみてください。
「CD3枚付 英語で話す力。141のサンプル・スピーチで鍛える!」長尾和夫、アンディー・バーガー
カバーに「TOEIC Speaking、TOEFL iBT、TEAP、英検などのスピーキング対策に!」とあります。
自分の意見を論理的に述べる表現を学びたい方におすすめ。
賛成、反対、中立の意見の言い回しが豊富に掲載されています。
2つのチャプターに分かれていて構成は以下のとおり。
Chapter 1「機能表現を学ぶ」―「英語で話す力」の基礎づくり
意見を述べる際に使える表現を1文単位で機能別に学習します。
ここでは意見・考え・説明を述べる際の「表現」を学習します。
例えば
- 意見を述べる
- 賛否に言及する
- 中立に言及する
- 確信に言及する
- 例示する
- 比較して述べる
など場合などに使える表現を1ページごとに掲載。
賛否を伝えるだけでなく、理由を説明したり、それを支える例を示す言い方も豊富です。
「私は~と思います」と言いたい時、「I think …」だけでなく「I believe …」「I suppose …」等、様々なバリエーションを持っていると、TOEIC S&Wでも有利ですね。
Chapter 2 スピーチ・ドリル―「英語で話す力」を養う!
Chapter 2では1つのトピックに対し、賛成・反対・中立/別視点の3通りの主張を、見開き2ページずつ掲載。
例えば
Unit 23
「たくさんお金を稼ぐよりも、多くの休みがある方がいいでしょうか?」
という問いに対し以下の3つの視点で、主張し論理展開する流れが掲載されています。
主張A(賛成)
お金よりも時間の方が貴重だ
主張B(反対)
稼いで義務を果たすことで幸せになれる
主張C(中立)
お金と時間のバランスが大切だ
それぞれの意見について、
- 左ページ:ボキャブラリーとスピーチ英文(110~150words程度の長さ)
- 右ページ:意見を言う際の論理の流れ、日本語訳、スピーチのポイント
となっています。
問題提示となるテーマは、上記のように価値観を問う問題から
「ひとり旅の方が、友人との休暇旅行よりも好きですか?」
という自分の好みや習慣を尋ねるもの
「あなたは消費税の増税に賛成ですか?」
といった社会に関する問題まで47の問いがあります。
ちなみに私がTOEIC S&Wテストを受けた時、ライティングの最後のエッセイのテーマは「ひとり旅とグループ旅行とどちらがよいか」でした。
CDは3枚付いていて、ナレーターは全員アメリカ英語の発音です。
全体的に、語彙自体の難易度はそれほど難しくないと思いますが、いざ自分で使うとなると出てこないかもしれません。
「CD付 日本人のための教養ある英会話」クリストファー・ベルトン
こちらの本は、文化、思想、科学、政治、経済など幅広いジャンルの40のテーマについて、基本的な知識を得るとともに、それらについて英語で会話ができるようになることを目的としています。
各章ごとに、2人の人物が各トピックについて会話するスタイルです。
意見を戦わせる討論・議論というより雑談に近い内容となっています。
会話本文の前にチェッククイズがあり、理解度をチェックします。
見開き2ページの左に英文、右ページに日本語が掲載され、難易度の高い語彙や専門用語は右ページに、一般的な語彙は左ページにまとめられています。
本文の後に、テーマに関連する用語の説明とフレーズ、コラムがあり、それぞれのテーマの理解を深められます。
CDは2枚付いていて、ナレーターはアメリカ人、カナダ人(NHK「遠山顕の英会話楽習」パートナーのCarolyn Millerさん)、イギリス人で、各国の発音の違いを聴けるのも面白いですね。
こちらは会話形式で話が進むので
- Well
- Wow,
- Really?
- ~, right?
- Okay, ~
- Oh, come on!
- I see,
など、会話で使う「あいづち」や「つなぎ」の表現もあり、口語的ですが内容や語彙は難しめです。
例えば
- palliative care 緩和医療、姑息的医療
- perspectivism 遠近法主義
- space solar power system 宇宙太陽光発電システム、SSPS
などは、日本語でもうまく説明するのは難しいのではないでしょうか。
本のタイトルが「教養ある英会話」とあるとおり、この本に載っている内容について話せるようになれば、かなり知的で博識な印象の洗練された英語になるんじゃないかなと思います。
こちらも帯に「英検1級二次試験対策としても」とあります。
ただ読むだけでなく、音読やリスニングで活用すれば、かなり手応えのある教材となることでしょう。
さらに学習を進めたい方には同じ著者のこちらの本も。
実践練習にはオンライン英会話レッスンがおすすめ
私は英検は受けたことがないのですが、試験官と会話しながら、自分の意見をその場でまとめ、説明するのは、かなり難しそうですね。
どんな質問が飛んでくるか、それにどう対応するかを鍛えるには、オンライン英会話スクールで、生身の人間と話すのが良い訓練になります。
私はDMM英会話のプラスネイティブプランを受講しています。
レッスンの教材は自分で決めるようにしていて、Daily Newsという旬の話題についての記事を選ぶことが多いのですが、そこには、自分の意見を言う問題が必ずあります。
たとえば今日は、
『研究結果:マリファナ(大麻)が合法化され、ティーンエイジャーのマリファナ使用率は低下』
という記事を選びました。そして先生との会話。
先生「日本では何歳から喫煙が許されるの?」
私「20歳です」
先生「つまり喫煙や飲酒は、その年齢になれば合法なんだよね。じゃあ、どうしてマリファナはダメで、喫煙や飲酒はOKなの?」
私「えっと、喫煙や飲酒は成長の妨げになって健康を害するし、依存性もあって…」
先生「ふむ。じゃあ、マリファナと喫煙だったら、どっちが死につながる危険性があると思う?より依存性があるのはどっち?カフェインはどう?依存性があるよね。それは問題ないのかな?」
続けて
「この記事を見てごらん(とチャットボックスにWebsiteのURL)。ここにマリファナの効用が書かれている。これを見てどう思う?」
(送ってくださったサイトには、マリファナの効用が列挙されていました。知らなかったことばかり!)
ここまでくると意見というより
「そうなんですか?!知らなかった」など単純な感想しか言えず…
はあー、結構大変でした。
まあ、TOEICや英検でマリファナが話題になることはないでしょうが(笑)、日本で普通に生活する上であまり深く考えたことがないようなことを英語で話し合う機会があると、頭が活性化される気がします。
Daily Newsはレベル別に記事が選べ、ジャンルも豊富に用意されているので、毎日1レッスンを様々な話題について自分の意見を言う練習をすると、TOEIC S&Wや英検に非常に有効です。
ぜひお試しください!
P.S.今日の先生は初めての方でしたが、レッスン最後に「I hope to see you again soon.」というと日本語で「はい、ぜひ!ありがとうございます」と言って頭を下げてくださって、なんだか可笑しかったです。楽しいですよ、DMM英会話。