これから翻訳の勉強を始めようと考えている方の中には、自分が翻訳者に向いているのか不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
私は2015年夏に医療翻訳の勉強を開始し、2016年3月に日英翻訳を主な業務とする仕事に就きました。
実際に翻訳を勉強し、製薬業界で業務に携わってみてわかったことがあります。
「翻訳」という仕事には、必要な資質・向いている性格がある
この記事では、どんな人がメディカル翻訳に向いているかをお話します。
※翻訳にはさまざまなジャンルがありますが、ここでお話するのは特に医療・メディカル・医薬品分野を専門とするメディカル翻訳者を想定しています。
またあくまで私個人の意見であることをご了承ください。
※「目次」▼を開くと、見たいところにジャンプできます。
【メディカル翻訳】に向いているのはどんな人?
どんな仕事にも「適性」があります。
では医療メディカル翻訳が向いているのは、どんなタイプの人でしょう。
実際にメディカル翻訳に2年半以上従事した私が思うのは、以下のようなタイプの人です。
私が翻訳を仕事にするまでに、また就職してからどんな勉強をしたかはこちら▼の記事にまとめています。
ではここからは「翻訳に向いている人」について、順に説明します。
当てはまる人は、ぜひフェローアカデミーの資料を請求して▼翻訳の勉強を始めてみてください。
【1】知ることが好き:勉強が好きな人・調べものが得意な人
「勉強が好き」というと奇異に感じられるでしょうか。
私自身は新しいことを学ぶのが好きです。
メディカル翻訳は「知ること」が好きな人には向いていると言えます。
なぜなら翻訳という仕事をするには、生涯、勉強が必要だから。
学ぶことが嫌いな人には、残念ながらおすすめできません。
加えて医学は、日々進歩しています。
新しい技術を使った治療法や薬剤が開発されているので、そういった情報を常にキャッチアップしていく必要があります。
わからないことや知らないことが出てきたときに、調べるのが億劫でない人もいいですね。
情報があふれている現代は「調べ方」にもコツがあります。
上手にキーワードを選択し、求める情報を短時間で探り当てるテクニックは、翻訳業に必須です。
言葉自体に興味を持てる人も、翻訳者としての適性を備えています。
たとえば語彙について。
医学用語は難解に感じられるかもしれませんが、疾病や器官を表す単語などの多くは、接頭辞や接尾辞を含みます。
そうした接頭辞・接尾辞の意味を覚えれば、単語自体を知らなくてもだいたいの意味をイメージすることが可能です。
医学専門用語の接頭辞についてはこちら▼2つの記事でまとめているので、興味のある方はご覧ください。
解剖学、臓器系の単語の接頭辞についてはこちら▼。
疾病、症状系の接頭辞と接尾辞についてはこちら▼でまとめています。
こうした知識を得ることに喜びを感じられる方には、医療翻訳という仕事はおすすめです。
【2】言葉が好き:言葉の細部にこだわり、細かいルールを守れる人
翻訳は、おおざっぱな人より細部にこだわれる人の方がおすすめです。特に言葉に対するこだわりは重要。
例えば助詞について、ここは「は」を使うべきか「が」を使うべきかといったことや、句読点の打ち方などまで深く考えられるタイプなら、翻訳という作業に面白みを感じられるはず。
また実務では、クライアントからの指定など細かいルールを守る必要があります。
例えば「アルファベットや数字を半角に統一する」とか「固有名詞の扱い」などです。
そうしたルール・レギュレーションを守れていないと、翻訳自体のうまくできていても修正が必要になり、成果物としての品質は落ちてしまいます。
【3】コツコツ作業が好き:細かい作業を根気よく継続できる人
翻訳には細かい作業や確認が伴います。
特にメディカル分野の翻訳は、人の命にかかわるもの。
データの数字など小さな間違いが重大な危険に繋がります。
そのためひとつひとつ、きちんと確認しながら作業できる人におすすめです。
また黙々とPCに向かって作業することが多い仕事なので、地道に根気よく取り組める人に向いています。
【4】論理的思考ができる:全体を俯瞰し筋道立って思考できる人
翻訳は横のものを縦にするだけではありません。
原文に書いてあることだけを「文字通り」に理解するだけではなく、全体の流れにおかしなところはないか、時々、俯瞰して確認する必要があります。
原文を書く人は、医療のプロであったとしても、文章のプロではありません。
日本人がみんな上手に文章を書けるわけではありませんよね。
日本語で原文を読んだとき、何を言いたいのか曖昧な場合もあり得ます。
時には言葉の使い方に間違いがあったり、省略しすぎて意味が幾通りにも取れたりする文章も。
しかし翻訳する場合は、そのような原文も真意を汲み取ってきちんと訳さなければいけません。
原文に書かれていることを正確に理解したうえで翻訳し、なおかつ症例の経過全体に整合性があるかなどにも目を配れることが大切です。
まとめ:メディカル翻訳に向いている人とおすすめの翻訳学校
医療翻訳は実務翻訳の中でも需要が多くかつ継続的に仕事があると言われています。
誰にでもできる仕事ではありませんが、これまでお話してきたような資質をお持ちなら、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。
私が翻訳を仕事として始める前に、どんな勉強をしたかはこちら▼の記事にまとめています。
「翻訳講座を受講して勉強しよう!」と考えている方は、ぜひ参考になさってみてください。
また「翻訳をやりたいけれど志望分野は絞れていない」という方には、翻訳学校のパンフレットが参考になります。
私は翻訳を仕事として始める前に、複数の翻訳学校の講座を受講しました。
なかでもフェローアカデミーには、メディカル翻訳を含む実務翻訳の他、文芸翻訳、映像翻訳など非常に広いジャンルの講座があります。
そのため「まだジャンルを決められない」という方にも、広い選択肢の中から講座を選べるメリットがあります。
詳しくはこちら▼から資料請求してみてください。
またフェローアカデミーの母体である株式会社アメリア・ネットワークは、「アメリア」という翻訳者のための有料情報ネットワーク▼も運営しています。
翻訳を仕事として続けるために非常に有益なサイトです。
私も2015年からすでに5年以上、所属しています。
上記、翻訳専門校フェロー・アカデミーの講座を受講すると同時に入会するとアメリア入会金(税抜5000円)は無料になります。
アメリアについてはこちら▼の記事で詳しく解説していますので、参考になさってください。
率直に言って、翻訳は難しい仕事です。
しかしその分、やりがいが感じられることも確か。
そして人が不老不死にならない限り、医療業界は廃れることはありません。
本記事で解説した「医療翻訳者の適性」をお持ちなら、ぜひ挑戦してみてください。