「英語では、複数形を作るには単数形に”-s/-es”を付ける」
最初にそう習いましたね。
でも中には単純に「単数形+”-s/-es”」=「複数形」ではない名詞もあります。
たとえばカタカナ語にもなっている「データ(data)」。
これは”datum”という単語の複数形です。
しかし単数形の”datum”の方はほとんど使われません。
今日はこうした変則的な複数形になる名詞と、常に複数形で使われる名詞についてまとめてみました。
複数形が「単数形+s/+es」ではない名詞と、常に複数形で使われる名詞のまとめ
“Phenomenon”の複数形は”phenomena”
先日、NHKの実践ビジネス英語を聴いていると、
“phenomenon”
という単語が出てきました。
「”phenomenon”は『現象』という意味で、もともとギリシャ語なので、複数形は“phenomenons”ではなく”phenomena”となる」
という解説でした。
そこで思い出したのが“data”という単語です。
“data”はラテン語から来た言葉で、“datum”の複数形ですね。私はメディカル翻訳を始めてからこのことを知りました(遅っ!)。
数字などの「データ」は複数あってこそ機能する場合が多いので、ほぼ常に”data”と複数形で使うからでしょうか。
今日は、複数形の形が単純に「単数形+”-s/-es”」ではない名詞や常に複数形で使われる単語など、名詞の複数形について見てみます。
複数形の形が「単数形+”+s/+es”」ではない名詞
ラテン語やギリシャ語に由来する単語は「単数形+”-s/-es”」ではない場合が多いようです。
ただし“-s/-es”を付ける形が共存している単語も多くなっています。
イギリス英語では履歴書のことをCV(=curriculum vitae)と呼び、アメリカ英語ではresume(résumé)と呼ぶことが多いようです。
「履歴書」はCV?それともresume?
DMM英会話のレッスンで、ルーマニア在住のアメリカ人の先生にCVとresumeについて質問してみました。
仕事に応募する際は、resumeとCV、どちらを使うことが多いですか?
アメリカでは普通、resumeを使うけど、ヨーロッパの方では「CVを提出するように」と言われることが多いね。僕の個人的な経験から言っても。
とはいえ、私が実際に日本の会社で提出するように言われたのは「CV」と呼ばれていて、いずれも簡略な物でした。CVとresumeを厳密に区別せずに使用する場合もあるようです。
ちなみに「resume」という単語には「再び始める、再開する」などの意味の動詞もあります。
履歴書の意味の「resume」はもともと「résumé」と発音記号がついていましたが、現在は発音記号なしで記載されることも多いです。
そのため単語だけを見た場合、それが「履歴書」の意味の名詞なのか「再開する」と言う動詞なのかはネイティブでも見分けられません。
文脈によって、どちらの意味で使っているのかがわかります。
常に複数形で使われる名詞
次に、(ほぼ)常に複数形で使われる名詞を見てみましょう。
基本的に、「2つで1つのもの」や「ペアで使われるもの」「2つの部分から成るもの」は複数形になります。
ちなみに、pantsはイギリス英語では下着を指しunderpantsとも言われるそうです。
アメリカ英語でpantsはズボンを指し、イギリス英語でズボンのことはtrousersを使うとのこと。
またbootsはブーツを指しますが、イギリス英語では自動車のトランクのこともbootsと言います。
この辺りのイギリス英語とアメリカ英語の違いはややこしいですね^^;
一組であることを示す場合には、“a pair of ~”などの形で使われます。
- 例:a pair of scissors、a pair of glassesなど
なお、靴や手袋などは片方だけを指す場合は単数形です。
学問の名称も常に複数形で、動詞は単数で受けます。
この他、常に複数形の単語には以下のようなものがあります。
「ありがとう!」のThank you!を軽く言う時も”s”を付けて、Thanks!と言いますね。「たくさん感謝の気持ちがある」というイメージ。
同様に「たくさんのお祝いの気持ち」を込めて「おめでとう!」という時も必ず複数形にして下さいね。
Congratulations!
参考図書
本稿はインターネット検索等の他、以下の文法書を参考にしました。
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