耳の聴こえが悪くても、TOEICを受験したい!高スコアを取りたい!
そう思う人も多いでしょう。
私も子供の頃から耳の聴こえが悪く、日本語での会話でも聞き返すことが多い難聴者です。
一方、英語が好きで、TOEICでは高スコアを取ることを何年も目標にし、英語学習を習慣化しています。
しかし耳の聴こえが悪いと、TOEICの受験会場でリスニングの試験を受ける時、実力を正確に測れません。
試験官が話す日本語でさえ聴き取れないことがあるのですから。
会場の後方に割り当てられた時は、試験開始前から絶望感に襲われていました…。
そんな私も2014年、プライオリティサポートという制度の存在を知り、以来、ずっとお世話になっています。
プライオリティサポートを受ける前(5月)に比べ、初めてプライオリティサポートを受けた回(10月)では、リスニングのスコアはなんと120も上がったのです。
この記事では耳の聴こえが悪い人を対象に、プライオリティサポートでTOEICを受験する際の手続きについて説明します。
難聴なので2014年からプライオリティサポートでTOEIC受験
のっけからカミングアウトです。
…というほどのものではありませんが、私は耳が悪く、日本語での会話でも時々ついていけません。
無意識のうちに相手の唇を読んでいることに、最近気付きました。
原因ははっきりしていませんが、子どもの時から、健康診断などで聴力検査をすると毎回引っかかっていました。
感音性難聴といって、音は聞こえても言葉が言葉として認識できないものです。
また、500Hzあたりまでの低い音はほぼ正常に聞こえますが、常に耳鳴りがしているため、高い音域(電子音、虫の鳴き声など)になると聞こえません。
どのくらい悪いかというと「聴力障害者手帳をもらえる一歩手前」くらいな感じです。数年前、耳鼻科で聴力検査をし、先生が結果を見て「これでは、ちょっと(申請のための診断書は)出してあげられないなぁ」と言われるくらいの微妙なところにいます(もしかすると今は加齢により進行して、対象範囲にリーチしているかもしれません^^;)。専門的な数値でいうと2014年時点で、平均聴力が4分法で右65.0dB、左70.0dBでした(数字の意味が、いまひとつ自分自身でよくわかっていません。これより後に検査をした時は、また少し低下していました)。
(2019年7月に聴力検査を受けた結果、聴覚障害6級に該当したため、障害者手帳を交付していただきました)
そんな私ですが、TOEICは2014年からは毎年、プライオリティサポートを受けて受験しています。
最初にプライオリティサポートを受けた時は、障害者手帳をまだ持っていなかったので、本記事は「手帳を持っていない場合の申込方法」となります。
プライオリティサポートとは
視覚、聴覚、その他、健康上の理由によりサポートが必要な場合、事前に申し込むことでTOEIC受験の際にご配慮を頂ける「プライオリティサポート」という制度があります。
障がいまたは健康上の理由により個別の配慮が必要な方は、プライオリティサポートのご依頼をいただくことで、ご希望に沿った受験環境を可能な範囲でご用意いたします。
私の場合、このうち「聴覚 B-2」のサポートを受けさせていただいています。
初めてサポートを受けたのがもう4年半ほど前なので、手続きの細かいことは忘れてしまったのですが(ごめんなさい)思い出せる範囲でどのようにしたか書いてみたいと思います。
依頼するサポートの種類等によっても依頼方法が異なるので、実際に利用される場合は、まずお問い合わせフォームなどでご確認ください。
ちなみに、S&W(スピーキング/ライティング)テストの方はもともとヘッドセットを装着して受験するので、プライオリティサポートは申し込んでいません。
TOEIC受験でプライオリティサポートを受ける手順
プライオリティサポートを受けるための具体的な手順を説明します。
申込フォームで「プライオリティサポートを希望する」
プライオリティサポートを受けたい場合、受験申込の画面で「希望する」にチェックをいれます。
私はすでに書類提出が済んで、前回もサポートを受けているので
「前回と同じサポート」にチェックを入れています。
初めてサポートを受ける方は、
「初めて」にチェックを入れてください。
プライオリティサポート申込み手順
IIBCの「プライオリティサポート依頼の流れ」を参考にしています。
公式HPに掲載されている依頼の流れは以下のとおり。
2021年4月時点では、新型コロナウイルス感染症の影響で、受験申し込みが抽選制になっています。
当選した場合に、希望のサポート内容を伝え、証明書を提出する流れです。
私が2014年に初めてプライオリティサポートを受けた時は、受験料を支払う前に確認したかったので、まずお問い合わせフォームからお問い合わせをしました。
その後、プライオリティサポート係からご連絡を頂き、受験の申し込みをしたという流れだった思います。
プライオリティサポートを受けるために必要な証明書類は、以下のとおりです。
証明書類は、障害者手帳をお持ちの場合は、そのコピーでOKです。
障害者手帳がない場合は、診断書が必要|有効期限に注意
私の場合は前述のとおり、2014年当時、手帳を頂くにはちょっと足りない(という言い方もかなり変ですが)難聴具合なので、病院で診断書をもらってきました。
診断書に何と書いてもらうかは決まっていないので、
「両難聴のため、リスニング試験ではイヤホンが必要である」
というような一文を書いていただき、聴力検査結果のオージオグラムとともに郵送しました。
その後、2015年にも同じようにプライオリティサポートをお願いしたところ、診断書が再度、必要だと言われてしまいました。
障害者手帳の場合は有効期限がありませんが、診断書の場合は発行日より1年以内となっているとのことです。
仕方なくもう一度、耳鼻科に行き、検査を受け診断書も頂いてきました。
しかし毎回、病院に行って診察検査と診断書を頂くとなると時間も費用も大変なので、2回目の時に、症状に継続性がある旨「治らないものである」という一文も書いていただき、依頼書と証明書類は必要なくなりました(プライオリティサポート自体は、受験ごとに毎回、申し込みます)。
私の場合、2010年以降、毎年少なくとも年に1回は受験しているので、上記のとおり2015年以降は書類の提出はしていません。
しかし2年間プライオリティサポートを利用しないと、書類の再提出が必要になるそうです。
TOEIC受験当日は【イヤホン】を忘れずに
一般受験と何が違うかというと、プライオリティサポート受験者だけの部屋でテストを受けます。
毎回、キャパシティ15人くらいの小さめの教室で、受験者はだいたい3~6人くらいです。
それに対し係官の方も、2~4人と多めで、受験者と係官の方がほぼ同数くらいのイメージ。
1~2人に1台、ラジカセが自分の前の机に置いてあり、それにイヤホンまたはヘッドホンを差して受験します。
テスト開始前に音量の調整をしますが、その際、係官の方も、分岐ケーブル(と呼ぶのでしょうか)にイヤホンを差して、一緒に聞き、音の大きさを確認します。
今まで1度だけ、CDの動作不良で、数分、音声が乱れてテストを中断し、後からその部分だけ、やり直したことがあります。
TOEICで高スコアを狙っている方には分かっていただけると思いますが、リスニングテストはリズムや先読みなど全体の流れも大切です。
なので、CDの不調によりそのリズムが崩れてしまうと、そこだけ後でやり直しても、通して受験したのとは成績は違ってくるので、とても残念でした。
しかしながら、耳が悪くてもイヤホンを使って受験できるのはありがたいことだなと実感しています。
初めてプライオリティサポートを受けた時は、リスニングがその前の回より120点も上がりました。
日常生活では、聞き取れないことで辛い思いをすることもたまにありますが、イヤホンをして受験させていただけるTOEICでは、もっとリスニングスコアを伸ばせるようがんばって、今年度も、IIBC AWARD OF EXCELLENCEを目指します!